北八ヶ岳

縞枯山、北横岳(1999.01.10-11)

1/10〜11に北八ヶ岳へ行ってきました。1/7頃からの寒波の影響で新雪が50cmから1mあり、気温は昼で−15℃位。縞枯山荘を起点に10日は縞枯山、茶臼山。11日は北横岳往復。今回は冬山初体験の内藤氏と一緒です。私としてはここは4回目です。
 家を出る前に電話で縞枯山荘に予約を入れ、9:30ころ車(スズキエスクード5ドア)で穂高を出発。1:30程で茅野着。金を忘れたことに気づき、茅野駅前の銀行へ寄ったり、スーパーに寄って食料の調達をしたりしているうちに昼になっしまう。しかし、下は晴れていても八ヶ岳は黒い雲の中だったので今日はいいやと言う気持ちもあった。ピラタスロープウエーの乗り場までは意外と雪が少なく難なく着いてしまったが、以前来たときは路面がつるつるで車がスピンして大変だった。寒波と言っても北の方だけ雪が多くこの辺は山の上だけのようであり、むしろ春の南岸低気圧の方が道路事情は悪い様だ。
ロープウエーは我々以外は皆スキーヤーでこの中の何人かにどこへ登るのかと聞かれる。坪庭に着くと思った通り風雪が厳しい。今回初めて山用のストックを用意して試す。なかなか快適である。縞枯山荘を通過して雨池峠から樹林帯に入ると、風を防いでくれて静かになる。トレースも消えていない。時折青空が出るがすぐに暗くなって雪が降ってきてこの日の写真はあきらめた。縞枯山頂から茶臼山間の平坦地で遅い昼食をとる。外に出している、カシオのPROTREKの気温は−13.5℃を表示している。風も相変わらず強い。こんな中で何事も経験とガスとコッヘルを取り出し、店開き状態・・・。コッヘルに注いだ水は見る見るシャーベット状になり、冬山初体験の内藤氏はただ笑うしかないと言っていた。天気が良くなる気配がなかったのでこの日は茶臼山まで行かず往路を引き返した。縞枯山荘15:30着。

 この日の客は我々2人のみ。日曜の晩だから当たり前か・・・。小屋のスタッフの人達の方が多い。みんな若い20代だ。掘り炬燵があってそこで17:30夕食。夕食が終わっても暖かくて炬燵から出られないでいると、スタッフの人たちが集まってきて飲み会が始まった。我々も持ってきたつまみをだして、参加させてもらいワインもいただいた。私が10数年前小谷村のペンションでバイトした時の雰囲気を思い出す。小屋での色々な苦労話。困った客の話など。山口から来たという女性はここが気に入って1年いるがまだ延びそうだと言っていた。私は冬しか来ていないと言うとほかの季節も来るよう強く勧められた。今まで1年過ごしてきたここの四季折々の魅力を話してくれた。私もほかの季節も来たいと思う様になった。夏はずっと雨だった影響で1月なのにまだその時の水が残っていて炊事に使っているとのこと。確か以前正月に来たときは雪を溶かして水をつくっていたっけ。98年の異常気象はまだ尾を引いている。あと、ここで話を聞いて初めて八ヶ岳の山小屋が全て予約制ということを知った。予約なしだと管理人も小屋を閉めて山を下りてしまう所もあるとか・・・。我々登山者も考え方を変えねばならない時期が来たようだ。

翌朝(1/11)窓から外を見ると昨日と変わらない様だったが、東の空が朝焼けでオレンジ色に染まっている。西の空も明るい。6:30朝食をとり、8:00出発。
雲がどんどん薄くなってゆく・・・。ただし風は昨日と変わらない。坪庭のくぼんだ所は吹きだまりで膝上までもぐる。樹林帯に入るころ青空が出る回数が増えてきて、樹氷が美しくあっという間に120枚も写真を撮る。すぐにフィルムが無いという状態が続く。しかし素手で−15℃の中での撮影は厳しかった。冷えたカメラに指がくっつく・・・。メカニカルのニコンはともかくとして、キャノンのイオスはよく動作すると感心する。
 北横岳で1時間位いただろうか。遠くの山は皆雲の中であった。かろうじて編笠山と甲斐駒、鳳凰が見えた。空腹で寒さに耐えられなくなってきたので撮影終了。北横岳から5分下った日だまりで早い昼食。昨日とはうって変わって暖かく感じる。それでも−9℃。12:20ロープウエー着。どんどん天気が良くなる。もう1日ずらせば最高だったかも。八ヶ岳の帰りにいつも寄る諏訪湖畔の温泉「片倉館」で汗を流す。あー極楽極楽。冬山初体験の内藤氏は冬の北八ツ気に入ってもらえただろうか・・・。