枝を くわえた カラスが 電線に とまった。
今日も カラスは
よりよい 巣作りの ために
明日を生きる 食べものを はこぶ ために
朝も 早くから
せっせと
翼を 大きくひろげては 滑空し、
翼を 大きくひろげては カア と 鳴く。
その 黒い 大きな 瞳を
縦横無尽に 動かしては
電線に とまっている間でさえ、
敵の有無を カクニンし
巣に 持ちかえるものを 探している。
カラスが 嫌われものに なってしまったのは
いつの頃から だろう。
童謡 「 七つの子 」 では
ゴミを あさることも なく
山に 帰ることが できたのに。
黒い 大きな 翼も こわい
黒い 大きな くちばしも こわい
黒い 大きな 声も こわい
けれど
その 黒い 大きな 瞳を
「 透徹した瞳である 」 と 感じるのは、
私の 気のせい なのだろうか。
こわい思いを 抱(いだ)きつつも、
今日も カラスを
キライに なれそうには ない。
「 カ ラ ス 」
2007/05/21
mikan
photo : 雨 飾